コラム第854号:「年末のご挨拶に代えて」
第854号コラム:湯淺 墾道 理事
(IDF副会長・明治大学専門職大学院ガバナンス研究科教授)
題:「年末のご挨拶に代えて」
2024年は世界的に「選挙イヤー」で、1月に行われた台湾の総統選挙、2月に行われたインドネシアの大統領選挙、3月に行われたロシアの大統領選挙、11月に行われたアメリカの大統領選挙など、世界的に注目を集める選挙が数多く行われました。韓国では4月に国会議員選挙が行われ、野党第一党が議席の単独過半数を占める状況がさらに深化して大統領にとってはさらに政権運営が困難を増したとみられていましたが、12月3日に尹錫悦大統領が突然非常戒厳を布告して世界を驚かせました。
これらの選挙に共通する問題の一つが「フェイク」であるといってよいでしょう。
コラム第853号:「詐欺師はあなたを見ている」
第853号コラム:松本 隆 理事(株式会社ディー・エヌ・エー IT本部 セキュリティ部 サイバーアナリスト)
題:「詐欺師はあなたを見ている 」
先日、知人のイラストレーター(仮にAさんとする)に詐欺の相談を受けた。相談された内容はおよそ以下のとおりだ。なお特定を防ぐために、内容を一般化している。
実はNFT関連のトラブルに巻き込まれて困っている。Aさんは、pixivのような作品コミュニケーションサービスでも作品を発表しているのだが、ある日メッセージで直接、あなたの素晴らしいイラストをNFTとして購入したいというオファーがあった。Aさんは作品が評価されたことがうれしく、またオファーされた金額も申し分ないものだったので快諾した。AさんにはNFTに関する知識がなかったが、相手にそのことを伝えると、NFT周りの手続きをサポートするので、指示通りに作業してほしいと言ってきた。Aさんは相手から送られてきたURLをクリックして海外のNFTマーケットプレイスでアカウントを作成し、MetaMask(※1)のウォレットを作成し、作品をマーケットプレイスにアップロードし作品を公開した。相手は約束通りの金額でAさんが出品したNFTを購入し、Aさんは多額の収入を得ることができた。
ところが…