コラム第785号:「身近な”サイバー”セキュリティ」
第785号:宮坂 肇 理事(NTTデータ先端技術株式会社
サイバーセキュリティ事業本部Principal Scientist)
題:「身近な”サイバー”セキュリティ」
本研究会が設立されたのは2004年8月23日である。
日本経済が急速にグローバル化が進展、デジタル化や新しいビジネスが
創設される中でデジタル化の利用促進が課題となっていた時代であり、一方、マルウェア蔓延やホームページ改ざん、個人情報をはじめとする機密情報の漏えいなどの情報セキュリティ上の問題が増加傾向にあった。情報セキュリティの重要性についても日本の組織としても喫緊の課題であり、インシデントレスポンスをはじめとして法的紛争や訴訟に対して正当性評価を行う必要がでてくることから「デジタル・フォレンジック」の重要性に対して、普及・促進を図り、健全なIT社会の実現に貢献する目的で当研究会が設立された。
本コラムでは本研究会の設立前後について日本の情報セキュリティ事情について、いくつかの事例をあげて振り返ってみたい。
コラム第784号:「民のかまど」
第784号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役)
題:「民のかまど」
小学生の頃に習った大阪市歌(大正10年制定)は、重厚な曲で
印象が強かったのか、今でも鮮明に覚えている。
歌詞の1番に「高津の宮の昔より、よよの栄を重ねきて、民のかまどに
立つ煙・・・」とある。「高津の宮」は、仁徳天皇が皇居とした難波高津宮であり、「民のかまどに立つ煙」は、仁徳天皇が高殿から国を見渡すと、民の家々の竈から煙が立っていないのを見て民の窮乏を知り、3年間課役を止めた事績に由来する。
「民のかまどから立つ煙」が国民の経済状況の指標(エビデンス)であり、「3年間課役を止める」ことがエビデンスに基づく政策であろう。