第655号コラム:「サプライチェーン分析と経済安全保障について」
第655号コラム:守本 正宏 理事(株式会社FRONTEO 代表取締役社長)
今や軍事技術が先端技術として活用される時代から、民間技術が軍事技術に転用される時代へと変化し、最先端技術を持つ人や企業、サプライチェーンを把握し確保することは国家の安全保障にかかわる事項となってきました。つまり、経済安全保障という考えが今や国家戦略、企業のグローバル戦略を考える上で必須となっています。 例えば、現在、新型コロナウィルス感染者拡大に歯止めをかけようと、ワクチンの確保は喫緊の課題となっています。各国が自国民のために優先的に確保しようとすることは当然の事であり、EUが域外提供を阻止しようとすることも当たり前のことでしょう。人道的観点から占有すべきではない、という考え方は建前としてはあるでしょうが、政府が自国民を犠牲にしてまで他国に出したくはない、と考えるのは自然なことです。
第652号コラム:「コロナ禍での慶應義塾大学サイバーセキュリティ研究センター行事『第10回記念サイバーセキュリティ国際シンポジウム』について」
第652号コラム:手塚 悟 理事(慶應義塾大学大学院 環境情報学部 教授)
2015年8月に、慶應義塾大学は全塾研究センターとして「サイバーセキュリティ研究 センター」を設立しました。その記念行事として2016年2月に開催したサイバーセキュリティ国際シンポジウムを皮切りに、昨年10月に「慶應義塾大学サイバーセキュリティ研究センター行事『第10回記念サイバーセキュリティ国際シンポジウム』を開催しましたので、この内容についてご紹介します。
今回のサイバーセキュリティ国際シンポジウムは、第10回の記念すべき開催となりました。この記念シンポジウムにふさわしく、世界のサイバーセキュリティに関する大学連携組織であるInterNational Cyber Security Center of Excellence (INCS-CoE)と、米国の非営利団体であるMITREが共同開催者となり、開催規模も今まで以上に大きくして実施しました。コロナ禍での開催となりましたので、今までの慶應三田キャンパスでの 開催とは違い、初の試みであるオンラインでの実施となりました。