第556号コラム:「デジタル・フォレンジック的な病院像とは?」
第556号コラム:江原 悠介 理事(PwCあらた有限責任監査法人 システム プロセス アシュアランス部 シニアマネージャー)
第455回コラム「医療分野におけるポジティブな監査技術としてのデジタル・フォレンジック」で記述する通り、現在の日本の医療機関等では一般的にデジタル・フォレンジックという技術は関係者にとって医療過誤や法定係争等の局面で活用されるといったネガティブなイメージが依然強い状況である。あるいは、医師/患者間において否応にも情報の非対称性が浮き彫りになる医療現場で、デジタル・フォレンジックが客観的に対象とする<ログ>という雄弁な証人の存在は、医療従事者/患者間の信頼関係を阻害する悪しき要因と考える向きも多数あるだろう。