コラム第823号:「令和6年度診療報酬改定をサイバーセキュリティという切り口で見る」
第823号コラム:江原 悠介 理事(PwC Japan有限責任監査法人 リスクアシュアランス ディレクター)
題:「令和6年度診療報酬改定をサイバーセキュリティという切り口で見る日本の人口減少問題について」
令和6年(2024年)の診療報酬改定では、ICTの観点から見ると、医療DXというキーワードに伴う報酬や加算の見直しが大きく行われることになった。各種メディアでも医療DXに伴う報酬内容の解説が様々に行われているが、言うまでもなく、診療報酬の内容を<点>で見てもあまり意味はない。もともとの診療報酬制度自体が医科・歯科・薬局を厚生労働省の統制医療経済のもとで政策誘導するツールである。急激な環境変化に伴う現場への影響を考慮して、初期段階ではライト(あるいはヘビー)な要件を入れ込みながら、その全域化に向けて、段階的に梯子を広げる(あるいは外す)ことが今までの報酬政策の中でも繰り返し行われてきている。そのため、医療DXという新たな要件にも同種の<線>としての種が仕込まれていると考えるべきである。
コラム第822号:「日本の人口減少問題について」
第822号コラム: 伊藤 一泰 理事(富士インフォックス・ネット株式会社)
題:「日本の人口減少問題について」
1.日本の総人口減少問題
戦後、日本の総人口は増加を続け、1967年には初めて1億人を超えたが、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じた。国立社会保障・人口問題研究所によると、今後ますます減少が進んでいくものと推計される。すなわち、総人口は、2020年の国勢調査による1億 2,615万人が 2056年には 1億人を割って9,965万人となり、2070年には8,700万人になるという。2020年の69.0%まで減少してしまう。しかも総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は、2020年の28.6%から2070年には38.7%へと大きく上昇する。
コラム第820号:「金融機関へのサイバー攻撃とデジタル・フォレンジックの利活用」
第820号コラム: 安冨 潔 理事(慶應義塾大学名誉教授 弁護士 金融情報システムセンター評議員)
題:「金融機関へのサイバー攻撃とデジタル・フォレンジックの利活用」
急速なデジタルトランスフォーメーションに伴い、情報通信技術は、今日の社会にとってのビジネスだけでなく我々の日常生活に不可欠なインフラ・ストラクチュアとしての役割を担っています。ことにネットワーク技術の進展や高度通信を提供する技術開発により新たなビジネスモデルやサービスが登場してきています。他面、IoTの進展により、多様なデバイスがネットワークに接続されることに伴い、ネットワークの管理とセキュリティに新たな課題が生じています。また、近年.重要インフラなどに対する巧妙なサイバー攻撃もあとを絶ちません。