コラム第806号:「気候⾵⼟と社会」

第806号コラム:丸山 満彦 監事(情報セキュリティ⼤学院⼤学 客員教授/PwC コンサルティング合同会社パートナー)
題:「気候⾵⼟と社会」

はじめに
先⽇、ペルシャ⼈の私の友⼈から「東京に最初に来たときに地下から地上にでると⾃分を⾒失って不安になっていた」という話を聞きました。彼の故郷のイランの街では、遠くの⼭などのランドマークを⾒て、⾃分が現在いる位置を把握していたそうです。ところが、東京にくると⽬の前にビルが⽴っていてランドマークが⾒えなく、⾃分とランドマークの位置関係がわからず不安になるということでした。
「迷ったら、⾼いところに登ってランドマークを探し、⾃分のいる位置を確かめる。」そういう習慣があると⾔っていました。この考え⽅はビジネスにも⽣きていて、彼は新社会⼈に、「(1) ⾼い⽬標を掲げ、常にそれに向かうこと、(2) ⾃分を⾒失ったら、まずは⾃分の⽬標確かめて、今⾃分がいるところを確かめること」、とアドバイスしているそうです。なるほどと思いながら私は、30年前に読んだ
NHK ブックスの「森林の思考・砂漠の思考」(鈴⽊秀夫著)*ⅰを思い起こしました。