コラム第796号:「3層公開鍵暗号の提案 -真正性文化の基盤として」
第796号コラム:辻井 重男 理事(中央大学 研究開発機構 機構フェロー・機構教授)
題:「3層公開鍵暗号の提案 -真正性文化の基盤として」
小学校高学年時代に太平洋戦争を経験した者として、古典暗号(軍事外交暗号)についての関心も深いが、研究者として衝撃的だったのは1970年代後期の公開鍵暗号の発明である。暗号は秘匿手段だった暗号に対し、本人確認等の真正性保証という重要な役割が加わった。1990 年代、情報セキュリティの
重要性が叫ばれ始めた。
とは言ってもセキュリティに関する実感は薄く、セキュリティ=暗号だったので、暗号に関する社会的関心は低かった。しかしながら、また最近、偽情報が課題となっている環境の中で、真正性保証が不可欠になっている。