第688号コラム:「技術で解決できること・解決すべきこと」
第688号コラム:伊藤 一泰 理事(一般社団法人日本野菜協会 アドバイザー)
技術者でもない私が、技術についてあれこれ述べるのは不遜であり、少々気が引ける題目だがご容赦いただきたい。
今から50数年前、まだ小学生だった私は、秋田県北部の小さな田舎町で暮らしていた。青森県に通じている幹線道路の国道7号線は、まだ大半が砂利道だったので、トラックやバスが走るたびに、もうもうと土煙が上がっていた。鉄道(奥羽本線)は、蒸気機関車がまだ主役の座にあったが、一日に数本、新型ディーゼル特急「白鳥」が優美で流麗なフォルムを田園風景に映して、矢のように走り抜けていった。