第562号コラム:「デジタルトランスフォーメーションとレガシーシステム」
第562号コラム:伊藤 一泰 理事(栗林運輸株式会社 監査役)
IoT、AIについて、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミで取り上げられることが増えている。もちろんネットでも大騒ぎだが、はたしてどれだけの人々がその意味・内容を正しく理解し、自分が働いている組織等への適用やシステム構築を検討し、経済社会に役に立つように導入・利用しようとしているのか(または、導入・利用出来ているのか)については大いに疑問がある。IoTやAIという言葉は、政治家や大企業経営者の挨拶文にもしばしば登場するようになってきたが、「単なる枕詞」だったり、時候の挨拶のような慣用句になっているケースも目にする。そして、ここにきて、もっとわかりにくい(日本語に翻訳しにくい)概念が提唱された。それは、デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation; DX)である。この言葉(概念)の意味するところは何なのか。定義自体が各々によって微妙に異なるため大変わかりにくい。筆者が調べた限り、一番わかりやすかったのは、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するイベント「DX Days 2019」の案内文にある以下の表現である。