第530号コラム:伊藤 一泰 理事(栗林運輸株式会社 監査役)
見積無料という言葉は、日常の商行為において、当然のように使われている。しかし、見積という作業にはそれなりの労力がかかる。すなわち人件費を中心とする経費が掛かっている。仕入値に利益を上乗せするだけで完成する単純な見積もあるが、商品によっては見積作成に相当の労力(時間)を伴う場合もある。しかも、複雑かつ高度な見積は、高いスキルを持った社員でなければできない。それなのに見積を無料にするのは、見積をきっかけに受注にこぎつけることを期待しているからである。