第518号コラム:「WannaCry騒動から1年経って」
第518号コラム:西川 徹矢 理事(笠原総合法律事務所 弁護士)
今年も、例年通り、3月末に各方面から2017年のサイバー犯罪等の概要と2018年の同予想が公表された。内容的には、予想通り、昨年5月の「WannaCry騒動」で盛り上がったランサムウエアの脅威がメインになっており、2018年もこの基調が続き、その傾向は容易には変わらないとするものが多く、内容としては至極妥当なものであった。ただ、個人的には、年が明けてから、予想した割には世間の耳目を惹くようなランサムウエア関連の犯罪報道に出会っていないとのイメージがあり、やや腑に落ちない点もあった。この「WannaCry騒動」から丁度1年経ったことでもあり、自分なりにこの1年を振り返ってみる。