第463号コラム「デジタル・フォレンジックと私」
佐々木 良一 理事・顧問(東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科 教授)
私が、初めてフォレンジックという言葉を聞いたのは、2002-3年ごろのことだと思う。弁護士の知り合いが多く、その人たちがフォレンジックという言葉を使っていた。牧野先生から聞いたのが最初だったような気もする。当時はデジタル・フォレンジックとは言わずに、コンピュータ・フォレンジックやフォレンジックコンピューティングという言葉を使うことが多かった。2003年6月20日に、警察政策学会5周年記念シンポジウムで「ネットワーク社会の安全(フォレンジックコンピューティング)」 というパネルがあり、私はコーディネータを務めた。
第462号コラム「防犯カメラとデジタル・フォレンジック、プライバシー影響評価について」
舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役)
近年、不法行為の抑止やトラブル発生時の早期対応及び防災などを目的として、大規模集客施設や店舗、鉄道駅構内等の公共空間及び商店街等の街路に、施設管理者が防犯カメラ(監視カメラを含む。)を設置している。防犯カメラの2015年の国内年間出荷数量は、58万6千台(2016年版のJEITA調査統計レポートによる。)であり、年々増加していることを考慮すると、公式統計はないが数百万台の防犯カメラが設置されているものとみられる。当研究会では、これまで防犯カメラ画像に関するデジタル・フォレンジックを取り扱ったことはないが、現在、防犯カメラの画像鑑定は犯罪捜査の重要な手段となっていることから、関連する話題を幾つか取り上げたい。