第378号コラム「インターネットバンキングと不正送金」
本 憲太郎 幹事(株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部 セキュリティビジネス推進室 シニアエキスパート)
1 発生状況について
インターネットバンキングにおける不正送金事件が無くなりません。平成27年2月12日に警察庁から公表された「平成26年中のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況等について」によれば、平成26年度中に発生した不正送金の総額は約29億1000万円となっており、これは平成25年度の約2倍の額となっています。また、全国銀行協会が平成27年8月26日に公表した「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し件数・金額について(平成27年7月発生分:速報値)」によれば、平成27年4月から7月までの不正送金は個人、法人合わせて432件発生し、その総額は6億5000万円に上るとのことです。